光物性・光学材料特論 （2014年度）

近藤高志 tkondo@castle.t.u-tokyo.ac.jp

Updated: 2014/5/20

講義の概要

レンズやプリズムなどから液晶ディスプレーや光ファイバ通信用レーザなどまで，物質の光学的性質を巧みに利用した光デバイスが広範囲で使われている。こうした光デバイスの材料となる光学材料の基礎について講義するとともに，その応用にも触れる。マテリアル工学科の学部講義・マテリアル物性II程度の知識があると理解しやすいと思うが，講義では基礎的な光物性から議論を始める予定なので，マテリアル物性IIの履修は必ずしも要求しない。

参考書

この講義では教科書は指定しない。本講義に関する参考書として，以下のものを挙げておく。

• 「光物性物理学（新装版）」 櫛田孝司 著 （朝倉書店）
  光物性に関する学部・大学院初等レベルの標準的教科書である。この講義で取り扱う光学材料の基礎となる光物性の大部分がカバーされている。
• 「光物性・デバイス工学の基礎」中沢叡一郎・鎌田憲彦 編（培風館）
  これも標準的な教科書の一つ。上記の教科書よりも多少デバイスよりで，かつ半導体の比重が高い。この講義だけのためならば，こちらの方がお勧めかもしれない。
• 「Fundamentals of Photonics, Second Edition」 B.E.A. Saleh, M.C. Teich 著（Wiley Interscience）
  光学の基礎から各種光デバイスの実際まで，広い範囲をカバーした大部の教科書。学部上級から大学院初級程度のレベルで，最も標準的な教科書といえる。少々高価だが，本格的に勉強したいのならば現時点で最高の教科書だと思う。
• 「Photonics: Optical Electronics in Modern Communications, 6th edition」Amnon Yariv, Pochi Yeh 著（Oxford University Press）
  光デバイス分野の大御所A. Yarivの大部の教科書。長い間，光エレクトロニクス分野の最も標準的な教科書の地位を保ってきた。日本語翻訳（光エレクトロニクス）も出版されている。ただし，改訂に改訂を重ねた結果，いろいろな記述間の不整合が目立つようになってしまった。こうした矛盾，間違いなどに注意して批判的に読むと大変勉強になる。大学院上級レベル。

講義のスケジュール

4月 7日	イントロダクション 屈折率と光学材料(1)
4月21日	屈折率と光学材料(2)
4月28日	屈折率差を利用した光学素子
5月12日	偏光と光学的異方性，その利用
5月19日	化合物半導体とその光応用(1)
5月26日	化合物半導体とその光応用(2)

　

講義ノート

講義ノートをPDF形式で公開します。講義時に配布したものと原則的に同じものですが，講義を進めるうちに不適切になった部分や間違いなどなどは訂正してあります（今年はまだ修正はありません）。　-> 講義ノート

レポート

レポート課題（6月13日　提出締切）：課題
　　　　　　　　複素屈折率データ（csvファイル）　Si, GaAs

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