応用ナノデバイス材料学／光物性・光学材料特論 （2022年度）

近藤 高志 tkondo@castle.t.u-tokyo.ac.jp

Updated: 2022/3/29

講義の概要

レンズやプリズムなどから液晶ディスプレーや光ファイバ，通信用レーザまで，物質の光学的性質を巧みに利用した光デバイスが広範囲で使われている。 こうした光機能デバイスに用いられる光学材料の基本的性質について光物性の基礎も含めて講義するとともに，それらの応用にも触れる。 マテリアル工学科の学部講義「デバイス材料工学」，「半導体材料学」程度の知識を前提とするが，講義では基礎的な光物性から議論を始める予定なので，これらの科目の履修は必須ではない。

参考書

この講義では教科書は指定しない。本講義に関する参考書として，以下のものを挙げておく。

• 「Fundamentals of Photonics, Third Edition」 B.E.A. Saleh, M.C. Teich 著（Wiley） Part I: Optics, Part II: Phtonics
  光学の基礎から各種光デバイスの実際まで，広い範囲をカバーした大部の教科書。学部上級から大学院初級程度のレベルで，最も標準的な教科書といえる。少々高価だが，本格的に勉強したいのならば現時点で最高の教科書だと思う。
• 「光物性物理学（新装版）」 櫛田孝司 著 （朝倉書店）
  光物性に関する学部・大学院初等レベルの標準的教科書である。この講義で取り扱う光学材料の基礎となる光物性の大部分がカバーされている。
• 「光物性・デバイス工学の基礎」中沢叡一郎・鎌田憲彦 編（培風館）
  これも標準的な教科書の一つ。上記の教科書よりも多少デバイスよりで，かつ半導体の比重が高い。この講義だけのためならばこちらの方がお勧めかもしれないが，今では入手困難。
• 「Photonics: Optical Electronics in Modern Communications, 6th edition」Amnon Yariv, Pochi Yeh 著（Oxford University Press）
  光デバイス分野の大御所A. Yarivの大部の教科書。長い間，光エレクトロニクス分野の最も標準的な教科書の地位を保ってきた。日本語翻訳（光エレクトロニクス）も出版されている。ただし，改訂に改訂を重ねた結果，いろいろな記述間の不整合が目立つようになってしまった。こうした矛盾，間違いなどに注意して批判的に読むと大変勉強になる。大学院上級レベル。

講義のスケジュール

4月05日	イントロダクション 光物性の基礎と光学定数
4月19日	屈折率と光学材料
4月26日	屈折率差を利用した光学素子
5月10日	偏光と異方性光学材料，その応用
5月17日	化合物半導体とその光応用(1)
5月24日	化合物半導体とその光応用(2)

　

講義ノート

講義ノートをPDF形式で公開します。講義開始時に配布したものと原則的に同じものですが，講義を進めるうちに不適切になった部分や間違いなどは訂正してある場合があります。　-> 講義ノート

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